FinTechとスマートフォンの親和性

2016年08月08日

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FinTechとスマートフォンの親和性についての論考。スマートフォンの普及がFinTechブームの大きな立役者となっており、FinTechで注目される分野の多くにスマホの特性が活き、相性がよい。ゆえにスマホの特にアプリによるサービス開発やサービス連携に注目が集まっている。

FinTechという狂想曲か?

FinTechという言葉が世間を賑わせている。金融(Financial)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語だ。金融の取引全般、決済、支払、投資/アドバイス、融資、企業の経理/財務、認証、通信暗号化、などのセキュリティ上、特に重要となる金融取引において、高度に進化したコンピュータ能力を用いて、取引の内容をデジタルに集積するだけでなく、膨大となる取引量をビッグデータとして、その取引から見えてくる様々な実態を分析し、次世代の金融サービスを模索せんとする動向全般を指している。
とはいえ、日本国内の金融機関とその取引におけるIT化は従来から高度に進み、企業と個人の金銭取引は多くが銀行口座を介在し、国民の教養や識字率の高さも相まって、銀行の口座所有率も成人になればほぼ100%で、全ての銀行はおろか、もはや全てのコンビニエンスストアにも存在するATMを使って、日々金融取引をデジタルに行っている背景がある。金融機関内部もあらゆる取引が電子化され、その動静を逐一監視し集積データを分析している。これらからすると、国内においては今更、金融の何をテクノロジーで進化させられるのか?という疑問の声が金融界から上がってもいるほどだ。

FinTechという言葉が登場する前に、世界はインターネットにより高度にネットワーク化され、インターネットバンキング・モバイルバンキング、ネット証券、ネット専業保険など、インターネットを前提とした金融商品・企業が登場し今日ではそれらが取引の主役に躍り出てもいる。特に民間の決済分野であるネット上でのショッピング額は年間6兆円にも上り、国内の各所で電子マネーを使って決済を行うなど、都心部などでは個人の一日の生活の中で、その決済・取引行為の大半をデジタルな手段やクレジットカード決済を含むネット決済で行っているような生活スタイルも当たり前になってきている。

スマートフォンのFinTechへのインパクト

国内の金融取引においてインターネットの登場と進化は、大きな変革をもたらした。これを引き継ぐ格好で2007年に発売されたiPhoneの登場に象徴されるスマートフォンというデバイスの登場、これがセカンドインパクトとも呼べる大きな変革である。スマートフォン登場前史、国内の携帯電話やネット通信機能は、その進化が他国に類を見ない形であったため、ガラパゴスケータイ(ガラケー)などと揶揄されてはいたが、こと金融取引においてはこの進化の恩恵を大きく受け、銀行・保険申込み・証券などの様々なリアルタイムの取引が携帯電話から出来るのはもちろんのこと、おサイフケータイとして電子マネーを携帯電話で使えるようになってまでいる国は非常に希だったと言えるだろう。つまり、日本国内においてはガラケー時代から、消費者と企業の金融取引においては高度なFinTechを体現していたとも言える。

国外、特に欧米からFinTechの波が押し寄せているのは、日本のガラケーのような高度な機能を搭載したデバイスがなかったところに、突如として現れたスマートフォンの要因が大きいと思われる。

スマートフォンと金融サービスの親和性

ガラケーであっても、スマートフォンであっても、各種の金融サービスが必要とする特性と、スマートフォンのそれとは実は非常に親和性が高い。スマートフォンとは、ガラケーが従来から持ち得ていた携帯電話の特性をそのまま継承し、形状だけを変えて進化している。特に画面表示・解像度や処理能力はガラケーのそれを数倍上回って登場し、年々大容量化しているため、もはや小型の高性能パソコンを持ち歩いている状態と言っても過言ではない。携帯電話時代から持ち得ていた特性、ここでは総じて「モバイル性」と称するが、次のように金融取引の様々な局面と非常に相性が良い。

■リアルタイム・即時性(高速なネットワーク通信を可能とするスマートフォン)

→数秒以内での決済や約定、および遠隔地間でのデータの完全な同期が必要な、株式取引や海外との時差がある取引など、対応しうるデバイスであること
→金融取引全般で要求される、高度なリアルタイム性・即時処理に対応できる

■ポータビリティ・可搬性(いつでも肌身離さず持ち歩いているスマートフォン)

→金融取引の多くは、人々が屋外や家の外、オフィス等で活動している営業時間内に行う必要があるものが多い(株取引や銀行取引など)。その点、常に持ち歩いているスマホからの操作で、金融取引が出来る

→金融取引全般で要求される、高度なリアルタイム性・即時処理に対応できる

■セキュリティ・確実性(例えば指紋認証機能など、パソコンより高度なセキュリティ機能を持つスマートフォン)

→金融取引において、高額な金銭移動を伴うことが多く、本人認証や取引の認証は非常に重要

→従来であれば、指紋認証の機械などは大型でとても持ち運べるようなものではなかったが、今はスマホで済む

以上のように、スマートフォンの持つ特性は、一般消費者および企業担当者であっても、各種の金融取引を行う際のデバイスとしては非常に適している。

内閣府から2016年4月8日に発表された3月の消費動向調査(http://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/shouhi/2016/201603shouhi.html)では、2015年度のスマートフォンの世帯あたりの普及率が従来型携帯電話(ガラケー)を初めて上回った、とある。スマホの普及率は67.4%で、スマホ以外の64.3%を逆転し、ついに国内でもスマホのシェアが上回った。国内の端末メーカーからは近い将来にガラケーの生産・販売を中止することが発表されており、今後はますますスマホ所有率は高まっていくだろう。これらにより、おおよそ国内の消費者は、様々な金融取引を日中であろうが夜間であろうが、外出先や出張先などの場所を選ばず、スマートフォンから便利に安全に操作して、どんどんと金融取引量を増大化させていくことになるだろう。

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