釣り糸を正しく垂れてこそカジノ商売

2015年10月06日

[カジノマーケット]

ラスベガスのスロットマシンが、「玉が出にくくなって」しばらくたつ。先日の地元の報道を見て、なるほどたしかにラスベガス全体でマシンを「締めて」いるのがわかった。
2004年には94.3%還元していた還元率は、十年後の去年には93.6%に減っている。
この数字は小さくなく、我々を含めて現地にいる愛好家には重く受け止められている。ところが、還元率を締めたにも関わらず、売上の方は同じ十年で5%も減っている。
リーマンショック前の2007年に84億ドル(約一兆円)あったネバダ州のスロットマシン売上は67億ドル(約8千億円)にまで減っている。
ラスベガスのカジノの伸び悩みを、これまでマカオでの拡大が埋めてきたようなものだが、ここにきて、マカオカジノは15か月連続で売上を減少させている。
こちら前年比は30%台とか40%台の強烈な減少率だ。なるほどラスベガスのカジノ大企業が、マカオ進出の次に日本のカジノ解禁を待望しているのはこれだけ見てもよくわかる。

さて、では日本カジノが解禁になるまで、どうしたらカジノ産業は増収を実現し、利益を確保できるのか?

往年のファンを抱えていた旧サハラホテルを取り壊し、新ホテルとしてスタートしたばかりのトレンディリゾートカジノ、SLSホテルも、この四半期で49百万ドル(約59億円)の損失が報告されている。
証券取引所に提出した同社の業績回復の戦略は、「会員ポイント還元プログラムをさらに宣伝・浸透させて顧客のデータベースをもっと集めて巻き返す」としている。
そう、もうこれ以上スロットマシンを締めても仕方がない。真新しさでお客が寄って来た時期が終われば、やはり大事なのは綿密なマーケティングなのだ。
正しい漁場を探し当て、魚が食いつくような餌をつけ、適切な深度にまで釣り糸を垂らすよりほかないのである。

casinoad

こちらの画像は、つい先日の地元紙に載せた、ステーションカジノ社の有力カジノホテルのレストランの広告だ(2015.9.3リビュージャーナル新聞)。
ずいぶん大きな紙面を割いて、バイキングディナーを広告しているが、とてもシンプルに、「ステーションカジノの会員になればディナー代が$19.99。そうでないと$24.99」これだけの広告だ。これまでもどのカジノも「会員獲得=会員へのマーケティング」をもくろんだ広告がされてきたが、ここまでストレートなメッセージで会員登録を誘導する広告もかつてなく、目を引かれた。

カジノ商売は、もはやロケーションがすべてだとふんぞり返っている余裕はなく、このくらい過激なことをしてでも、データベースマーケティングをしていかなければならないと業界は気がついている。

当社プリズムは、この「カジノの本場のデータベースマーケティングにどの会社よりも役に立ちます」というのが一貫したスローガンだ。業界最大のコンベンションにも毎年出展していて、このメッセージは業界で広く浸透している。
ネバダ州の統計に戻れば、去年一年で、ネバダ州だけで、スロットマシンに投じられた現金は1050億ドル(約13兆円)及ぶ。
これだけの大金がただ現金で投じられ、そのデータをかろうじて、現行の「プラスチックのメンバーカード」がぐずぐずと捕捉しているだけだ。
アメリカはいまだにクレジットカード社会なので、おサイフケータイの真の利便性を知らない。
プラスチックの磁気カードがスマホに代わるとき、ここで交換されるデータが飛躍的に倍増することは日本人には想像がつく。

データベースの妙味は標本数ではない。母集団を十分に表現し得る標本数が集まったら、むしろ本当に欲しいのは、その標本を構成するさまざまな属性だ。
年齢、性別、居住地などは磁気カードでもいけるが、お客がカジノに行く前、どんなAppでどういう記事を見ていたかとかどんなクーポンをチェックしていたかの情報がわかれば、お客が好みそうなテーマのマシンへBluetooth Smartで誘導したり、「興味あるApp」と「カジノ投下額」の相関係数によっては、「トレンディ」を場当たり的なデザイナーに任せず、統計士に任せて重回帰分析でカジノデザインをすることもできる。
仮の話、「赤い色」を使えば使うほどカジノ滞在時間が長くなるということがスマホマーケティングでわかれば、今夜にもカジノの壁紙を総とっかえすればいいのだ。
我々の当地での経験でも、カジノ産業は良くも悪くも古風でコンサバで、特に技術に関して頭が固い。また、シリコンバレーの王者が入り込むには市場が中途半端な大きさで優先順位が低い。
だからこういうITマーケティングを叫ぶ人がとても少ない。しかも誰もおサイフケータイを使ったことがない。具体性と技術バックグラウンドを持ってラスベガスで提案をし続けているのは、日本の我々だけである。
漁のたとえを借りれば、今日、日本の漁場で「船長の勘」だけで釣りをしている漁船はいない。ほぼすべての船が小さくともGPSと魚群探知機を積んでいる。
カジノ産業も、いよいよ魚探を搭載する時代が来ている。我々は今まで日本でさんざんやってきた技術をアメリカに持ち込み、謹んでそこに貢献していきたい。

テックファームグループの取り組み

テックファームグループのPrism Solutions Inc.では、日本金銭機械の米国子会社であるJCM社と提携し、カジノ施設向けに近距離通信技術を活用した電子決済ソリューションパッケージサービスを開発しています。具体的には、カジノ施設内にあるスロットマシンなどゲーム機のほか、ホテルやレストランなどでの電子決済に利用できるソリューションとして、NFC・FeliCa、Bluetooth LEなどの近距離通信技術に対応したハードウェア、サーバシステム、モバイルアプリケーションを開発。キャリアや端末に依存せず、世界中のゲストが決済手段として利用できるサービスとして、米国内のカジノ施設での導入を目指し、年内には実証実験に取り組めるよう、営業活動をしております。

さらにはギャンブル依存症対策の一つとして、カジノ施設入口に設置した専用ゲートで個人所有のクレジットカードの信用照会を実施する特許を取得しています。

★本記事に関するご感想・お問い合わせはテックファームホールディングスまでご連絡ください。

  • お問い合わせフォームもご利用頂けます

    AND MORE

  • 一覧へ戻る

各社の社名、製品名、サービス名及びサイト名は各社の商標又は登録商標です。

※当社サイト内に記載されている社名、製品名、サービス名及びサイト名には、必ずしもすべてに商標表示(®または™)を付記していません。